長らく翻訳ミステリ小説の衰退が嘆かれているが、嘆いてばかりではいかん、と、そうそうたるメンバーを発起人に、大きな動きが起きているようだ。翻訳ミステリ大賞が、創設されるらしい。発起人は、小鷹信光、深町眞理子、白石朗、越前敏弥、田口俊樹の五名が名を連ねているが、いずれも現役かつ凄腕の、ミステリを主戦場とする翻訳家たちだ。なんか、本気で来てるな、という気迫がひしひしと伝わってくる。そしてこの「翻訳ミステリ大賞シンジゲート」は、この大賞を支援していく存在として立ち上げられたそうだ。本格的な更新は10月からということらしいが、賛同者もどんどん集まりつつある模様。
わたし自身はミステリはあまり読まないが、その昔は児童向けのホームズシリーズに夢中になり、その後離れてからも社会人となってあまり重いものが読めなくなってきた時期に手に取ったのがP・D・ジェイムズら女性ミステリ作家の作品だったりするので、いくらかは血にミステリ成分が含まれているように思う。数年前にもドートマンダーシリーズに夢中になったこともある(ただ、ミステリとしての楽しみ方では無いと思うが)。「ミステリチャンネル」で毎年年末に行われる「闘うベストテン」の海外部門を見ても、毎度へんてこりんな作品がピックアップされており、境界文学ファンとも親和性が高いと感じられる。そうである以上は、面白い小説を読める機会の分母を減らさぬためにも、是非ともいろんな人に翻訳ミステリ小説を手にとっていただきたいものである。
そんな訳でわたしは、具体的な活動としては何もできないと思うけれど、どんどん応援はしていこうと思います。
角川書店のPR誌「本の旅人」で連載中の榎本俊二作品「思ってたよりフツーですね」(『思ってたよりフツーですね』第1巻好評発売中!)の最新作品は、先月末に立川のオリオン書房ノルテ店で行われた「読んでいいとも!ガイブンの輪」のレポート。なるほど、わたしが見てきた空間が榎本さんの手に掛かると、こんな風に見えるのかー、と、実に面白い作品に仕上がってます。何より、ホステスである豊崎由美さんが、超かっこよく描かれてるよ! でも、確かに似てる……。このイベントで、実際にこの作品に出てくる方たちも拝見したのだけれど、似て無くもあるけど、そっくりでもあるんだよねー。それは、榎本さんの自画像もまたそうなのだけれど。