書籍bk1(1巻)bk1(2巻)bk1(3巻)bk1(4巻)bk1(5巻)

  • 読み:しんやしょくどう
  • 著者:安倍夜郎
  • 出版:ビッグコミックオリジナル(小学館)
  • ISBN:
    • 1巻:978-4-09-181707-5
    • 2巻:978-4-09-182160-7
    • 3巻:978-4-09-182447-9
    • 4巻:978-4-09-182686-2
    • 5巻:978-4-09-182800-2
  • 価格:各743円
  • キーワード:漫画 / 料理? / ?
  • 舞台:

裏表紙より

営業時間は深夜0時から朝の7時頃まで。メニューは豚汁定食にビール、酒、焼酎……それだけ。あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよ。

あなたの腹と心の満たし処。

感想

1巻

  • 買った日:2008/8/
  • 読んだ日:2008/8/15

 帯にあるとおり、深夜から朝まで営業している店、それが通称深夜食堂。新宿は花園界隈にあり、いろんな訳あり人が夜な夜な群れ集う。

 基本的に1話完結。そこで中心的人物になった人が別の回に出てきたりもする。勢揃いするような回も。豚汁定食が定番だそうだがそれを頼む人はここには出てこず、懐かしい赤いたこさんウインナーとか、甘い卵焼きとか、目玉焼きとか、猫まんまとか、カツ丼とか。淡々とした丁寧な絵柄で淡々とした丁寧な話運びには好感が持てる。紡がれるエピソードも、少しウェット気味なのだけれど過ぎない。その「程度の良さ」が嫌味が無くて読後感がよい。

 B級グルメ漫画というと真っ先に思い出すのが『孤独のグルメ』。これは主人公の吾郎さんが街中を歩いている途中で見つけた店に入ってのエピソードだが、こちらは変わるのは店ではなく人であるところがポイント。食べ物は基本的に人に従属するもので、エピソードとともに輪郭が際だっていく。

 場所が場所だけにすねに傷持つ身がほとんどで、性転換した老嬢や、一世を風靡したAV男優も。しかし、どんな人でもこの場ではフラットで、それはこの店の主人が醸し出す空気からくるものなのだろう。この主人もまぶたの部分に縦に切り傷が入っているところを 見ると、まあ過去には何かあったのかも知れないし、今後それが明かされていくのかも知れない。

 奥付を見ると、仕込み、試食、盛りつけ担当がいる。果たして、この漫画に出てくる料理を実際作ってるというのか、といぶかしく思っていたが、仕込みと試食が名前の下に「小学館」と出てることから、編集担当ではないかと当たりをつける。盛りつけが銀杏社というところで、検索してみると「漫画街」というweb漫画サイトを持ってるようで、編プロらしい。なるほど、こういう風にちょっと遊んで見せた訳だね、とちょっとほほえんでしまった。いかにもビッグコミックオリジナルに載っていそうな(実際載ってるんだけど)作風。

 1巻が良かったら既に出ている2巻も買おうと思っていたので、これは即買いに決定。

 あー、それにしても。「きのうのカレー」は、温めるものだとばかり思っていたら、冷蔵庫から出した冷たいのをごはんの熱さでとろかして食べるものらしい。今度、挑戦してみよう。いつもは温めちゃうんだよなー。

2巻

  • 買った日:2008年8月21日
  • 読んだ日:2008年8月21日

 という訳で第二弾。飄々としたマスターと、新宿は花園町の片隅に集まる常連とその快のゲストたちの交流。そこで供される食べ物をきっかけにした人情噺、とも言おうか。刺身のつま、などという料理と言えるかどうか分からないものまであったりして、いやそもそも刺身のつまをこんなに用意しているところもまず無いだろう、とか、そういうちょっと「非現実的」なところは目をつぶっていた方がより浸れるとは思う。

 それぞれ、人生がうまくいかなかったりうまくいったりして浮き沈みがあるが、その食べ物に人生が重なるのが物悲しくもある。因みにアジフライは醤油かな。もしくはウスターソース。こういう、味付けの好みであーだこーだ言い合うのも、こういったコの字型カウンター故なのかも。このカウンターを囲んで、みんなで蟹を食べている回も愉快。

 こういう漫画って、この店と同じく、あって当たり前で、無いことに想像が及ばず、無いとどうしていいか分からなくなってしまう存在感がありますよね。

3巻

  • 買った日:2009年1月30日
  • 読んだ日:2009年1月31日

 今年度のマンガ大賞候補作ともなったが、中でも一番地味な作品かも。連載中の「ビッグコミックオリジナル」のサイト内に作品の雰囲気が分かる試し読みコーナーがあるので、未見の方は是非閲覧してみてほしい。一見不器用そうでそっけない作風だが、ページから立ち上ってくる空気は温かい。

 ところで、著者の絵はとても丁寧だけれどどこかぎこちなさがあり、うま下手風の絵、となんとなく思っていたけど、「ちくわ」の段で中に入れるきゅうり(よくお弁当に入ってたよ、うちでは)のアップを見たときに、そのリアルさにちょっと驚いた。決して下手では無いんだよな、やっぱり。しかし、リアルすぎる絵は、この作品には必要ないのだろう。適度にデフォルメされ、適度に省略された絵柄が、この大いなるマンネリ感を醸し出す。この作品はまだ三巻だというのに、既に10年続いていてもおかしくなさそうな雰囲気を持っていて、しかもそれは決して悪い方に響いていない。ページを開けばそこにあるという安心感。それは深夜0時を回ると開くこの店にも通じていて、何よりも「そこにある」ことの安心感を感じさせるのだ。下手な冒険は要らない、下手な演出も要らない。まるで、この店がそのまま雑誌に存在するようである。

 ところで、やはり夜なのでみんな酒を片手に何かつまみでも、という注文をする。メニューにないもの、といっても、そこまで無茶なことはしないのはいわば暗黙の了解だろう。そんな中、そんなものなどぶっちぎってしまう人もいる。ここでいうと「ビーフストロガノフ」の女性とか。こんな一杯飯屋の風情の店で、誰がビーフストロガノフを頼むだろうか? だったら洋食屋にでも行けばいいのだ。しかもいつも突然だ。時間がかかって待たせちゃうから食べたい時は前もって言ってね、と言ってあっても。もちろんそんなことをするには彼女なりの理由があり、この店の主人や常連は、その事情を知っても、心配をしても敢えて口出しはしない。ここはいろんな事情を抱えた人が来るから、いちいち首を突っ込んでいては身体がもたないのだろうが、客もまたそんなことを望んでいないからだろう。そういった付かず離れずの距離感が、またいいんだろうなあ。よくもまあ知り合いや離れ離れになった家族に出会う店だな、とは思うが、それはまあ、ファンタジーでもあるので見逃してみる(笑)。

 ここに来る客はとても幸せには見えなかったり、一見不幸ど真ん中に見えるのに実は本人としてはとても幸せだったりして、世間の物差しが通用しないことが多い。まあ、それに伴う食べ物も、他人から見ると「何それ」というものもあったりするのだが。そんな中で失敗したり立ち直ったりして行く様を穏やかに見守り、やってきたらいつもと同じように出迎える、そんな「素っ気なさ」が店も客も読者も長持ちの秘訣かも。食べ物を通してみる人間模様。食べるときってその人の本性が出るものだものね。その人の好むものならなおさら。

4巻

  • 買った日:2009/8/30
  • 読んだ日:2009/8/30

とうとう4巻目。前にも書いたように、マンネリがひとつの味になっている。しかし、よくよく考えると客筋に謎があるよなあ。とうの立ったOL三人組とか、何でこの時間にうろついていられるんだ? まあ、こういう人たちもいないと、話が広がらないからね!

今回異色なのは、冷やしトマトの回。ラストの処理の仕方、あれ、これってもしかしてもしかしてもしかしちゃったりする?? わざとぼかし通してるけど、そーいうことですか?? ああ、こういう演出の仕方は手練れだなあ、と感心する。

他の回も、「何でわざわざこの店にやってくるんだ(笑)?」とかツッコミどころは沢山ありつつも、そのくらいの緩さがちょうどいい感じ。そういうところは漫画的な記号や表現をうまく使う人だなあ、という感じがする。

とうとう、この地味に人気のある漫画も、テレビドラマ化されるようだ。マスター役は小林薫。原作とうまいこと正の相互作用を及ぼすようないい作りにして欲しいものだ。常連たちを誰が演じるか、そして料理はどんな風に映され、食べられるのか、ちょっと楽しみで大きく不安だったりする。

5巻

  • 買った日:2009/11/30
  • 読んだ日:2009/11/30〜

読み中

この本が気に入ったら……

コメントをどうぞ

  • kono -- Genkingkong? 2009-03-20 (金) 00:28:10
  • 別途は失礼しました。改めて・・・。このマンガが好きで検索したらここに辿り着きました。 -- Genkingkong? 2009-03-20 (金) 00:30:36
  • 3巻目も2巻になってますよ -- 通りすがり? 2009-05-02 (土) 00:14:25
  • 本当ですね。どうもありがとうございます。 -- 管理人 2009-05-02 (土) 09:29:25

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Last-modified: 2010-03-10 (水) 15:19:01 (176d)